介護職は離職率が高く、人手不足が大きな社会問題となっています。アンケートで離職理由を調査したところトップは人間関係で、約25%の人が職場の人間関係に問題があったと回答しているのです。介護業界は仕事がきついとか給与が安いなどよく耳にしますが、離職の一番大きな原因が人間関係にあるという結果は少し驚きです。
施設などの介護の現場では、同じメンバーで働くことがほとんどです。人関関係が上手くいっている場合は問題ありませんが、スタッフの中に気の合わない人がいて関係性が悪い時、チームを組んで1日中一緒に仕事をすることは大きなストレスになります。複数の事業所を抱えて程良く移動などがあれば気分や雰囲気も変わりますが、そのような恵まれた環境の職場ばかりではありません。
さらに、人間関係は同じ職種だけとは限りません。病院での介護職では、看護師との人間関係の悪さが問題になっています。看護師はバイタルチェックや服薬などの指導を介護職員に行ういますが、それを高圧的と感じる人も少なくありません。また、派閥など考え方の相違でできることもあり、殺伐とした人間関係に嫌気がさして離職する結果になります。
いくら正論で社会にはいろいろな人がいると言っても、このような逃げ場のない環境では施設責任者が介入し問題解決に取り組みをすることが不可欠です。人間関係を把握してチームに能力があるリーダーを配置したり定期的にメンバー替えを行うなど、少し我慢をすれば環境が変わる状況をつくることは離職率に歯止めをかけることになるでしょう。